職人的鞣し工場である私達の哲学は、今も伝統が日常生活の一部であるトスカーナの土地、力強く多彩な土地に根差したものである。
トスカーナ人は中途半端はありえない人々であり、個性が非常に強く、それゆえ時には厄介な結果になることもあるが、同時に寛大で誠実でもある。
この土地出身の父祖のように自由な精神を持ちおおらかであるが、トスカーナは彼らの祖先である詩や絵画や科学の天才を輩出した土地であり、その才気に溢れ創造的な資質は私たちの中に受け継がれている。
この文化を意識しながら、私達は木製の太鼓で樹皮の抽出液と動物性の混合油によって皮を鞣している。
革は生き物であり、そこで働く人々のように時間の経過を恐れず、金属や石を使って手作りされるすべての物のように個性的で繊細だ。
私達にとって鞣しとは知る事、試行錯誤を意味し、模倣ではなく、空と大地、空気と火を混ぜ合わせ作品に個性を与えた錬金術の秘密の手順を再現することだ。
その時、革は私達にその歴史とその性質を語りかけてくれる、しかし注意しなくてはならない:それは必ずそうなるわけではなくまたそうあるべきでもない。
確かに私達は完璧を求めるが、そこに到達することの困難さを自覚している。
実際、革一枚一枚は独自の価値と欠点が入り混じった複雑な個性を持っていて、まさにその深い理解から愛情と尊敬が生まれるのである。
革を表面的に見ただけで判断する人もいれば、さっと触って判断する人もいる。残念だ。
私達のバケッタを手に取り、見るのではなく感じて欲しい: その革の過去、歴史、皺、吟面の若干の不完全さ、同じ革でも場所によって独創的で無限に違う色合い。
更にあなたの手で触れて揉んでみてほしい。革のふくよかさと丸みによって、植物タンニン鞣しの特徴的な音が感じらる。これを我々は「革が歌う」と表現する。
今度は力強く個性的な古い革の香りを嗅いでほしい。時間が創造性の友であった時代を彷彿とさせてくれる。
次に簡素なウールの布等で、革を優しく擦ってみてほしい: 特殊な牛脂のおかげで、色が濃くなり艶が出る。
長い間使っていると、時折表面に若干の白い緑青のようなものが現れることがあるが、布で簡単に拭き取れば問題ない。
最後に何年も掛かる最も厳しい試練: それは私達の革で靴やバッグもしくは何らかの革製品を作り使ってもらう事だ。
革の自然な経年変化(エイジング)、アンティーク感、高い透明度が貴方の作品の価値を更に高めることに気付くだろう。
多くの人々は、私達の革は非常に特別なもので従って特別な作業や取り扱いが必要だと思うだろう。
私達もそう思う。誇りと共に!
季節の巡りと皮鞣しの工程の間にある神秘的な相互作用は、古来より受け継がれてきた。
革の中にはあらゆる物をこめることができる: 色、音楽、形や言葉、それは貴方の中にあるものそして貴方が望む物。
私達は赤煉瓦で作られた古い鞣し工場を知る幸運に恵まれた。
タンニンが染み付いた太鼓と大きな木の窓がある工場の中で育った。
伝統は意識無くして存在せず、古い記憶の無い新技術もありえない。
出発点を考えることは間違い: それは過去の出来事の変化する積み重ねである。
目指す終わりを考えることも間違い: 我々自身をはじめとして、その過程の中で多くのことが変化するのだ。
始まりと終わりを考えることは正しい戦略ではなく、危険な制限だ。
ライフスタイルのように個性の追求は、ささやかな自己防衛手段でも下手な自己顕示欲でもない。
それは複雑で困難な、しかし同時に素晴らしい内的世界を伝える必要性である。
所在国 | イタリア |
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設立 | 1967年 |
主ななめし方法 | ベジタブルタンニン(バケッタ製法) |
主な製品 | ミネルバボックス、ミネルバリスシオ、ナッパ、ナッパCB、ナッパネビア、プエブロ、チグリ、ユーフラテ、ハバナ、NATO |
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